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6割のフィクションと2割の嘘1割の真実で構成されております。

消えたSuicaとモバイルSuica

私は一度習慣になった手法というか手続きの様なものはあまり変えないタイプだ。

例えば出勤ルートだ。新しく近い道が出来ても大きな違いがなければ慣れている方で出勤する。

結果的には近い道に慣れるのがベストなのだが、慣れるまでのイレギュラーが好きではないのだ。普段通りにしとけば良かったと思いたくない。

そんな中、私はモバイルSuicaに移行した。何かあって決心したわけではない。単純にSuicaを無くしたのだ。無くして初めて知ったのだが現在Suicaカードは新規発行をしていないそうだ。流石に無いと不便なのでモバイルSuicaと言うわけだ。

色々手続きをたらい回しさせられて面倒なのだろうなと思っていたが、存外すんなり登録できた。

クレジットカードのところだけ3D認証がどうとかで引っ掛かったがそれ以外は簡単なものである。

そうなると今度は不安になってきて、何がどうして連携しているのか気になってくる。身勝手なものだ。

上手く使えなくて仕事を遅刻したくなかったので、試しに一駅使ってみることにした。やってみると、なんとアプリを起動しなくても改札を通り抜けられたのだ。一体どういう技術なのか。

兎にも角にも、便利なのでもっと早くしておけば良かった。財布をポケットに入れておかなくて良いのが一番うれしかった。そう思いながら改札を出ようとするとエラー音と共に改札が閉じた。私の手には無くなったはずのSuicaカードが握られていた。